言葉を貶める方法

(2020.6.20)
言葉って面白いし、難しいですね。

 

今回のタイトル、「貶める」というネガティブワードが入っていることもあり、ちょっとドキドキしていますが、やってみましょう。あまり社会風刺的なものはテーマにしたくはないのですが、今日はちょっと書いてみたくなったのです。

 

僕は、「遺憾」という言葉があまり好きではありません。遺憾をイカンと思う気持ちは如何ともしがたい、という、誰にとっても100%面白くないダジャレが頭にすぐに浮かぶのも(これこそ如何ともしがたいのですが)遺憾ですが。

 

なぜ自分が遺憾に対してアンチなのかを考えてみると、理由は2つ。1つ目は、たぶん遺憾という言葉に慣れていないこと。なんか昔はそんなに頻繁には聞かなかった気がするんだけど、いつのころからか社会が遺憾まみれになっている。遺憾との付き合いがまだ浅いから、しっくりきてないんでしょうね。2つ目は、慣れていないのとも関係するんでしょうが、遺憾の意味がよくわからないこと。これが僕のモヤモヤの原因です。

 

「遺憾です」というのが、


・「ごめんなさい」、と自分が謝っているのか、

・「ごめんなさいと謝れ」、と相手に言いたいのか、

・謝りはしないが、あなたの不幸や不満に寄り添うスタンスを表明したいのか、

・激怒したいところを必死で抑えているのか、

・逆に自分にとってどうでもよいことだけど怒っているように見せかけたいのか。

 

なんか、ハッピーやラッキーとは反対の、困ったことになってそうだけど、結局何を言いたいのかよくわからない。自分が悪いのか、相手が悪いのか?本気なのか建前なのか。遺憾と言っている人の本音が読み取りにくい。それでモヤモヤするんだろうと思います。

 

さて、「遺憾さん」には申し訳ないけど、僕は社会に遺憾が多すぎてモヤモヤしてしまっているので、この言葉を貶めて、減らしていく方法を考えてみました。僕が遺憾をそんなに好きじゃないのは、決して遺憾のせいじゃなので、遺憾だけど。

 

どうしたら遺憾が使われなくなるのか?逆説的ですが、みんなで遺憾を多用するとどうでしょう。

 

みんなが遺憾を無造作に使いまくって、社会が遺憾で満ち溢れて、遺憾って何が何だかわけがわからなくなってくると、重要な人が、重要な場面で、遺憾って使いづらくなるんじゃないでしょうか。そうすれば僕のモヤモヤは減っていきそう。

 

例えば、(小学校で)「廊下を走っちゃ遺憾でしょ!」「宿題を忘れて遺憾です。」「今日の給食のカレー、遺憾~。」「あまり騒ぐと、遺憾にしますよ!」

 

とかなってくると、もうわけがわからなすぎて、モヤモヤ感が吹っ飛びますね。マジ卍。

 

さらには、(恋人同士で)「あなた、遺憾。」「わたし、遺憾。」「今日の化粧ノリ遺憾。」「電話をするのも遺憾、しないのも遺憾。」「今日は遺憾にする?それとも激オコにする?」

 

とかも、楽しくないですか?

 

これを書いているウチに、なんだか書き始め当初と気持ちが180°変わっちゃって、遺憾がかなり好きになってきちゃいました。遺憾です。

2020年06月20日