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飛行機に乗ってお散歩に(シラーズ)

(2020/6/27)
去年(2019年)、生まれて初めて、飛行機に乗ってお散歩に行きました。とっても楽しかったのでその話を。イランの話です。


まずはさかのぼって2018年から。雑文で紹介しているピノキオと出会った時です。
イランに通いだして4回目。週末に初めてイラン国内の小旅行をしました。イランは英語が通じないことも多く、文字も(勉強しない自分が悪いんですが)数字すら読めないので、旅行の敷居が高いです。若いころのようなチャレンジ精神も薄れてきちゃってるし。でも、徐々にイランで友達もできたので、何とか僕でも旅行ができるかな?行先は、シラーズ。


テヘラン発、シラーズ行きの飛行機がけっこう遅れて、言葉も文字もわからないので気疲れしました。テヘランの国内線用の空港は、僕にとっては難関です。でも何とか無事にシラーズに到着。友達と会えて、とても楽しい週末の小旅行のスタートです。夜に出歩いたのもこの時が初めて。

 

 

 


ガイドさんを雇ってペルセポリスにも行きました。

 

 

 

シラーズのバザールにも行ってショッピング。イランはすごくオシャレなんですよ。

 

 

 

シラーズは見所が盛りだくさん。いろんな素晴らしいところに案内してもらって、週末の小旅行を大満喫できました。なかでも素晴らしかったのが、ピンクモスク。朝早くに行くのです。ステンドグラスから差し込む朝の光が、超絶素晴らしい!

 

 


見所、とは全く違いますが、夜のお散歩にも行きました。政府が何年か前に作った自転車専用道路。でも付近に自転車を持っている人がほとんどいなかった。だから夜にはわさわさ近所の人たちが集まってきて、お散歩している。気持ちいいよ!とのこと。僕たちも、いろいろお話しながらゆっくりお散歩をして、一軒だけある屋台のコーヒーショップでコーヒーを飲みながらだべって、楽しい時を過ごしました。イラン人はピクニックが大好きなので、道端にカーペットをひいてピクニックしてる人たちもたくさんいます。

 

 

 

このステキなお散歩体験。けっこう考えてしまいました。


当時の僕は、健康も少し気になりだしたのでスポーツジムに入って、でも運動をするのは面倒くさいので週に2回ヨガを始めていたのです。でも長年ダラダラと働く癖がついていたので、この週にたった2回のヨガに行くのもスケジュール調整が大変。


イランはこの時期、アメリカの経済制裁でかなり疲弊していました。でも、このお散歩体験では、豊かさってなんだろう?と混乱してしまいました。たくさん働いて、お金を稼いで、そのお金を使って一生懸命スケジュールを空けてジムに行って、何とか体調管理をする。何かいろんなところで空回りをしてる気がします。適度に働いて、家族や趣味の時間をたくさん持って、夜は気持ちよくお散歩。とか、素敵だし、豊かです。


シラーズの人たちが日本よりも環境的に有利なのは、雨の少なさですね。雨が少ないと、カラっとしている日が多いので、みんなよく外に出ます。昼に暑くても結構夜は涼しくなります。年間降水量が200ー300mm程度の半乾燥地だと、たくさん屋外で楽しめますね。こういう、夜に屋外で楽しむ文化、シラーズは以前少し暮らしたスペインのアンダルシア地方と似てるな、と思いました。半乾燥地って住みやすそう。


こんな感じでとっても満喫したイランでの初めてのプライベートな小旅行。たくさんの観光地を大満喫しましたが、一番素晴らしかったのがこの「夜のお散歩」。二番目が友達と過ごす時間です。家庭料理とか、家の庭でだべったりとか。外国での普通の暮らしって、観光ではなかなか味わえないので。


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それから1年後の2019年、また週末の小旅行でシラーズに行くことにしました。目的は「夜のお散歩」。お散歩をしに、飛行機でシラーズへ。ってカッコいいな!と思って。


結果的には、夜のお散歩自体はできなかったのです。「そんなにお散歩が好きなら、もっと本格的なお散歩を用意するよ!」ということで、ガッツリ歩き回るハイキング&ピクニックになりました。イランの人たち、ハイキングも大好きです。行先は、廃墟になった山麓の村。昔は小さな村がありましたが、そのうち人が居なくなって廃墟になりました。でも最近、その廃墟の建物を再利用したオシャレなお店もチラホラ出てきて、若い芸術家なんかも住みだして、隠れた人気スポットになりつつあるとか。廃墟ってワクワクします。

 

 

 

前回行って素晴らしかったピンクモスクにももう一度行きました。ここは最高です。

 

 

これ以外にも素晴らしいことが盛りだくさん。夜の街もとってもきれいだし、賑わっています。乾燥地の夏の夜は気持ち良いですね。またまた楽しい小旅行でした。

 

 

 

 

テヘランでも、仕事仲間が彼らの一押しのチャイハネ(=喫茶店)に案内してくれて、とっても楽しかったです。イランは良い人がいっぱいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年06月27日

イエローストーン国立公園

 

(2004.9.20)

今回は昔のホームページに載せていた古い記事から。イエローストーン旅行記です。

 

もうだいぶんと前になりますが、2004年9月4日~6日にかけて、アメリカのワイオミング州(正確には一部アイダホ州とモンタナ州も含んでいる)のイエローストーン国立公園に行ってきました。当時はアイダホ州に住んでいたので、2泊3日の近場の旅行。こういう国立公園って、実はあまり興味はなかったのです。でも3連休だし天気もいいし(半乾燥地なのでだいたい天気はいいんですが・・・)、あまり興味はないけど、無理やりブラっと行こうかな?という趣旨での家族旅行。こういう無理やり感ってけっこう好きなんです。そして結構面白い結果になるのです。イエローストーン、いいところでしたよ!

 

1.イエローストーンについて

 

イエローストーンはアメリカ西部の国立公園。世界で最初の国立公園です。1800年代に絶滅しかけたバッファロー(アメリカではバイソンのことをバッファローと呼びます)の保護にも大きな影響を与えて、たくさんの野生のバッファローが自由気ままに生息しています。バッファロー以外にも、野生のシカや熊など、自然のサファリパークは楽しいです。

 

イエローストーンのもう一つの顔。それは、火山です。火山性の地質や、温泉がビューっと吹き出す間欠泉など、壮大です。イエローストーンの地下深くには大量のマグマが溜まっていて、近い将来(地球史上の近い将来なので明日かもしれないし10万年後かもしれませんが)巨大噴火が起こって人類滅亡の危機にさらされる可能性も高い、と予測されているほどの、世界一のスケールの火山活動地帯です。

 

壮大な大自然へようこそ!

 

2.Yellowstoneに行こう-出発準備編


ちょっとした思いつきの旅行なので、行くのが決まったのが出発日の前日(金曜日)。シーズン中の3連休ということで、特に初日、 土曜日 の宿が全然ありません。大人気の国立公園内での宿泊は論外としても、国立公園外の最寄の町、West Yellowstone や Gardiner (両方モンタナ州)でも残っているのは一泊 $200 以上の部屋ばかり。うーん、困ったな。

そういった制約もあって最終的に決めた計画は・・・


まずイエローストーン付近で安く泊まることのできない1日目(土曜日)に、イエローストーンを突き抜けて南部に隣接するグランドティートン(Grand Teton)国立公園まで足を運ぶ。そして最寄の町のワイオミング州 Jackson に泊まる(ここは比較的空いている)。

2日目はグランドティートン国立公園を抜けてイエローストーンに入り、北のGardinerという町に泊まる。

3日目はイエローストーンを楽しんで、あとは帰るだけ。これで宿はなんとかなりました。

 

近場・・・と言っても高速道路で5時間かかるので、僕のおんぼろ車じゃ無理ですね。レンタカーを借りました。Pontiac GrandPrix 3800cc。




3.Yellowstone 1日目~ イエローストーンを通り抜けてJacksonまで行こう


イエローストーンまでの車で5時間の長距離ドライブは退屈でしたが、それでもやっぱり、旅行ってワクワクしますね。

West Yellowstone の少し先、西入口についたのが午後3時くらい。国立公園に入るまでは野生動物を1匹も見なかったのに、入るとすぐに車道を歩いているバイソンに出くわしました。話の通りだ、と思って喜んでいると、その次はミュール鹿の群れ。雄1匹に雌と子どもが10匹ほどの群れが水辺を悠々と歩いています。奈良の鹿よりも大型の鹿です。

初日は西入口から入ってそのまままっすぐ南に抜けて、グランドティートン国立公園を通過して宿泊先の Jackson に向かう予定でした。そんなに時間に余裕もないので南出口に向けて車を進めていくと、途中の道で車が大渋滞。バイソンの群れでした。

 

 

 

その他、イエローストーン内にある温泉を見たり、遠くの山の中腹にいたエルク(大型の鹿)を双眼鏡で見たりしながらグランドティートンに入りました。

 

グランドティートンは景色がきれいな場所です。きれいな山並みの続く景色を見ながらの、宿泊先の町、Jacksonに向けてのドライブです。


宿泊先の町Jacksonは、冬にはスキーリゾートになるようで、すごくきれいで物価も高い町でした。3連休の土曜日ということもあり、イエローストーンの 観光客でかなり混んでいます。宿の人のお勧めレストランを3軒教えてもらい、3軒とも廻ってみたんですが、とにかく観光客だらけで、どこも予約でいっぱいで入れない。。。。でも3軒のウチの一つが「ちょっと待ったら何とか席を用意できる」と言ってくれて、よかったです。

できるだけ旅先でしか食べれないようなものを食べたかったので、イエローストーンにちなんでバイソンかエルクを食べようと決めていました。そのレストランにはエルクのステーキ(一人$30)がありました。高いんだけど今後エルクを食べる機会なんかそんなに無いと思って、奮発してエルクを食べました。エルク は牛肉よりもあっさりしていて、それでいて微妙にマトンのような臭みがありました。ビールやシャンパンも飲んで、妻の誕生日だったので誕生日のデザートもサービスしてもらって大満足。行ったレストランは The Blue Lionというところです。



4.Yellowstone 2日目~ 間欠泉を見よう

イエローストーンにはたくさんの温泉があります。中でもガイザー(Geyser-間欠泉:何時間に1回とか湯がバーっと噴き上がる温泉)が評判です。2日目のテーマは間欠泉を見に行くこと。間欠泉は数時間から半日に1回しか出ないので、闇雲に待っていても見ることができません。イエローストーン内のOld Faithfulという所にある案内所にいけば、どの間欠泉がいつ出るのか、予定時刻が表になっています。

僕たちは、オールドフェイスフルガイザーとグレートファウンテンガイザーを見ました。


オールドフェイスフルガイザーは一番手ごろに見れる間欠泉です。Old Faithfulの案内所からすぐ近くにあるし、大体1時間強の間隔で噴き上がるので、待つのもラクです。グレートファウンテンガイザーは、主要な間欠泉の中では一番見にくい間欠泉です。1日に2回しか噴き上がらないし(ということは夜中に1回出たら日中の チャンスは1回しかない)、案内所での次の噴出予測時間は、午後2時±4時間...すなわち朝の10時から午後6時までいつ出るのかわからない。

 

でもせっかくなので、その場所に行くだけ行ってみよう、と午後1時ごろに行くと・・・。すごく運良く、到着5分後に出ました。グレートファウンテンガイザーを見て、「貴重なものを見た」といううれしさはあったけど、内容的には見やすいオールドフェイスフルの方を見ておいたらそれで充分かも、と思います。特に「見ないと後悔する」というほど特別なものでも無いですね。



間欠泉を運よく2つ見れたので、その後に鹿やバイソンを見ながらイエローストーンをゆっくりと北上していきました。下の写真の1枚目は、イエローストーンのグランドキャニオン(Grand Canyon of Yellowstone)。ここはイエローストーンの中の大渓谷で、イエローストーンという名前の元になった黄色い岩肌がよく見えます。次の写真はマンモスホットスプリングス(マンモス温泉)。炭酸カルシウムで真っ白になったテラスがところどころにある、このあたりが生きた火山だ、というのを肌に感じられる風景が広がります。

 

 

 


2日目の宿泊先、 Gardiner は、北入口を出たすぐにあってロケーションはバッチリです。でも町自体は普通の田舎町。1日目の Jackson や、来る時に通過した West Yellowstone がいかにも「イエローストーンらしさ」を醸し出しているのと対照的でした。ここでの宿泊予定のモーテルは町外れだったので、町で楽しむのは諦めて、モーテルの目の前のパスタ屋さんで夕食を食べました。ただ、行ったパスタ屋さん(Outlaw Pizza&Casino)が大当たり。ラザニア$8、スパゲティー$6、ビールがなんと大ジョッキ一杯$1.5、とか、味は普通だったけど激安でした。

 

5.Yellowstone 3日目~ めずらしい動物を見よう

3日目は最終日。昼過ぎにはイエローストーンを出発して家に帰らないとダメなのですが、一つ心残りがありました。それは、めずらしい動物をほとんど見ていないことです。何も下調べせずに来たイエローストーンですが、公園内で買ったパンフレットにはいろんな動物がいるように書かれています。バイソン、ミュール鹿、エルク、 ムース、プロングホーン、茶色い熊(グリズリー)、黒い熊、コヨーテ、などなど。

この中で2日間で見たのはバイソンとミュール鹿(この2種類は飽きるほど見ました)、エルク(遠くの2匹を双眼鏡で見ただけ)のたった3種類です。もっと希少な、ムースとか熊を見たい。できればイエローストーンで一番危険で、特に100 m以内には近寄るな!と注意されている熊を見たい。

パンフレットには「動物を見るには早朝または夕方がいい」と書いていますが、公園内に泊まっていないのでこれはちょっと難しいです。そこで、無理かもしれないと思いつつ、とにかくパンフレットに「熊の生息地」と書かれている北東方面へ行ってみることにしました。熊は無理でもムースが見れるかもしれないし。

東の方は一部道路が通行止めになってたこともあり、すごく空いていました。車を走らせていると人だかりがあったので、熊か!と思って止まってみると、どうやら鹿がいたけど逃げたとのこと。でも、観光客の一人が「この先で、さっき熊がいたよ。」と教えてくれました。

そこであわてて車を走らせましたが、どこまで行っても熊らしいものはいない。んー、もうどっかに行っちゃったんだろーなー、と悔しい思いでほとんど諦めていると...すごい人だかりが見えました。


もう、バイソンや鹿とは異質の人だかりです。あれは熊に違いない。熊自体が小さいので写真で見ると遠そうですが、黒熊です。小さくても危険なんだろうけど、パンフレットには100m以内に近づくなと書いてるんだけど、みんな熊から10mとか20mしか離れてませんね。。。集団でいると危険に対して鈍感になるんですね。

 

 


そうこうするうちに、黒熊の子どもかな?茶色い熊が2匹現れました。観光客が3匹の熊に大満足していると、ほどなく女性のレンジャーの人が来て、観光客を怒って追い払いました。「その距離は100m以上じゃないでしょう!!!それとあん たたちの車が道を塞いでるから通れないでしょう!!!」。ふと見ると、路上は車だらけでした。イエローストーンでは、たまに熊に襲われて観光客が死んでしまうそうなので、熊は遠くから安全に見ないといけませんね。

 

 



幸運にも3頭の熊とも出会え、どんどん欲が出てきて、「次は絶対ムースを見てやる」と思いましたが、ムースとは出会えませんでした。少し車を止めてバイソンの群れを眺めていたたところ、バイソンがどんどん近づいてきました。バイソンはでかいので、10mくらいまで近づいてくるとかなり怖いです。そこで車に入っていると、なんとバイソンの群れが道を渡り始めました。よく写真で見るような、バイソン渋滞の先頭に立つことができました。バイソンが車のガラスを隔てて 1 m のところまで来ると壮観です。

 

 



ムースは見れませんでしたが、大満足だったイエローストーン旅行。帰る途中に West Yellowstone の町でバイソンの肉のBBQステーキを食べて帰りました。特にまずくはないけど、あんまりおいしいものでもなく。マトンに近い獣くささがある肉でした。

 

 

 






 

 

 

 

2004年09月20日